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- 栄養ニューズ「PEN」2025年6月号
◆第14回 日本リハビリテーション栄養学会学術集会 開催
ジョイントシンポジウム(日本カヘキシア・サルコペニア学会合同セッション)
◉がん・非がんのカヘキシアとリハビリテーション栄養の意義
- 大阪国際がんセンターの天野晃滋先生は食に限定したQOL尺度作成やNISの定義を進めていることを紹介し、カヘキシアにおいてNISと食事摂取量減少、QOL低下、うつのリスク上昇が関連するとした。
- 横浜市立大学医学部 循環器内科学の小西正紹先生は心臓のカヘキシアはがんのカヘキシアより患者数が多いことに触れ、早期診断と適切な治療が必要と指摘した。
- 竹田綜合病院 CM部栄養科の遠藤美織先生はがん悪液質患者に対してアナモレリンを投与し、多職種が連携しながら、それぞれの専門的手法を組み合わせて包括的に治療および支援を行うことで、栄養状態や運動機能が改善したことを紹介した。
- 愛知淑徳大学 健康医療科学部の飯田有輝先生は悪液質患者の身体機能低下抑制には運動療法が有効だが、実施できない患者が多いとし、その場合は電気刺激も有用とした。
◆食育健康サミット2024 開催(後半)
講演 2 「フレイル・サルコペニア対策のための運動と食事」
- 本誌では先月号で「食育健康サミット2024」の内容の前半を掲載した。本記事はその後半。筑波大学人間系 教授の山田 実先生はフレイル、サルコペニア対策に有用とされる運動について、身体機能向上に資するが、継続できないと身体機能が低下するとして、運動以外の身体活動増加が重要とした。通いの場や歩数計アプリの活用は有用であり、サルコペニア対策としてはレジスタンス運動とたんぱく質摂取の併用が有効とした。また、要介護状態でも配食サービスと体操の併用で身体機能低下速度が抑制されるとした。札幌保健医療大学大学院 教授/大妻女子大学 特任教授の川口美喜子先生は『日本人の食事摂取基準(2025年版)』ではフレイル予防の観点からたんぱく質や食物繊維の摂取量が増やされ、食塩摂取量は削減されたと説明した。しかし、たんぱく質摂取を重視するあまり、糖質摂取が少なくなっている事例に触れ、たんぱく質摂取を強調しすぎる弊害を指摘した。その上でバランスのよい食事を摂取し続けることが重要として、そのための工夫を紹介した。最後に、クロージング/サミットまとめとして、寺本民生先生が健康寿命を損なう要介護に至る原因は性別により異なり、必要な対策も変わること、オーラルフレイルやロコモティブシンドローム、メタボリックシンドロームに対する包括的な介入の重要性と、そのために必要な食事の知識を身に付ける食育が大きな役割を果たすことに触れ、「食育健康サミット2024」のまとめとした。
◆第54回日本創傷治癒学会 開催
特別講演1 「無重力や寝たきりによる筋萎縮の栄養学的予防・治療法の開発」
- 徳島大学大学院医歯薬学研究部生体栄養学分野の二川 健先生は、始めに無重力環境では筋量減少と筋質変性が起きることに触れ、宇宙でのヒトの活動を増やすためにはこれを予防する介入が必要と指摘した。続いて、無重力環境での筋萎縮には、酸化ストレス増大とミトコンドリアの破綻が関連しており、この経路を阻害する開発中の機能性宇宙食について語った。特に、大豆ペプチドとコオロギのたんぱく質に着目し、それぞれ筋萎縮効果が確認されたことも説明した。さらに大豆栽培とコオロギ飼育を組み合わせた循環型の食物生産システムの構築を目指した研究の成果を紹介した。最後に、宇宙でのヒトの活動を支える人材育成も行っているとし、宇宙における外傷治療の分野で日本創傷治癒学会の知見を活かしたいと述べた。
◆学会情報