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- 栄養ニューズ「PEN」2026年4月号
◆第47回日本臨床栄養学会総会・第46回日本臨床栄養協会総会
第23回大連合大会開催
シンポジウム1/パネルディスカッション
「サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025」
- 「『サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025』のオーバービュー」:名古屋鉄道健康保険組合 名鉄病院の葛谷雅文先生は、2025年4月に『サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025』が発表されたことを紹介し、その作成の手順などを説明した。
- 「サルコペニア・フレイルの栄養管理:たんぱく質とミネラル介入」 :熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センターの吉村芳弘先生は、サルコペニア・フレイルに対するたんぱく質とミネラルについて解説し、たんぱく質の栄養介入は強く推奨されるが、ミネラルの栄養介入は提案にとどまるとした。
- 「糖質、アミノ酸、プロ・プレバイオティクスのサルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン」:東京女子医科大学の若林秀隆先生は、糖質、アミノ酸、プロ・プレバイオティクスについて触れ、糖質介入はサルコペニアでは推奨なし、フレイルでは単糖類、二糖類の過剰摂取を控える提案とされ、アミノ酸はサルコペニアで強く推奨、フレイルで提案されていると紹介した。また、プロ・プレバイオティクについては、フレイルに対するプレバイオティクス、サルコペニアならびにフレイルに対するプロバイオティクスがそれぞれ提案されているとした。
- 「2025年版サルコペニア・フレイルに関する栄養管理GL解説:慢性呼吸不全(COPD)への対応」:奈良県立医科大学附属病院 栄養管理部の藤田幸男先生は、慢性呼吸不全に対するサルコペニア・フレイルへの食事・栄養の有用性について説明し、十分なエネルギーならびにたんぱく質またはBCAAを重視した食事・栄養療法を提案した。
- 『サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025』英訳版 は現在下記URLにて公開中
- https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ggi.70275
- 『Geriatrics & Gerontology International』Volume25, IssueS2
- Nutritional Management Guidelines for Sarcopenia and Frailty 2025
- 初版発行:2026年1月12日
◆第47回日本臨床栄養学会総会・第46回日本臨床栄養協会総会 第23回大連合大会開催
特別講演
「栄養不良の二重負荷:ライフコースを踏まえた肥満・やせの現状と課題」
- 国立保健医療科学院 生涯健康研究部 清野富久江先生は、まず国立保健医療科学院の概要、沿革に触れ、同院が担う日本の栄養に関する調査研究、栄養政策実施への貢献を紹介した。次に、肥満者ややせの割合、食品摂取量の推移を示しながら、低栄養と過栄養が併存する状態が日本でも存在することを指摘、この「栄養不良の二重負荷」は生活習慣病や要介護状態を惹起するが、社会的要因の影響が大きく、ライフコースアプローチを踏まえた幅広い取り組みが求められるとした。その上で、日本の栄養課題の解決を目的に進められている政策を示した。世界的にも栄養課題の解決が議論され、「ニュートリション・エコノミー」などのビジネス分野でも「栄養不良の二重負荷」に対する貢献が提唱されている、と紹介。「東京栄養サミット2021」で誓約された「誰一人取り残さない日本の栄養政策」に基づく「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」が進められていると説明した。最後にこれらの政策決定には、様々なフェーズでのエビデンス構築と政策への反映を循環させる必要があること、多様な栄養課題への対応に、あらゆる分野との連携、様々な政策に栄養の視点を取り入れる必要を訴えた。
◆第31回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会開催
シンポジウム2
「楽しく食べるための開発研究 Part2」(前号より続き)
- 「誤嚥刺激に伴う筋萎縮に対する転写因子Nrf2 の機能の解析」 :東北大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科の橋本 光先生は、サルコペニアによって惹起される誤嚥性肺炎がさらなる筋萎縮を招き、誤嚥リスクを高めるという負のサイクルを指摘した。その上で、Nrf2欠損マウスによる実験結果から、Nrf2活性化により筋萎縮や誤嚥性肺炎を抑制できる可能性があるとした。(本記事は3月号掲載の第31回日本摂食嚥下リハ学会 シンポジウム2の続きです)