- HOME
- 書籍・WEB
- 栄養ニューズPEN
- 栄養ニューズ「PEN」2026年5月号
◆第29回日本病態栄養学会 年次学術集会開催
合同パネルディスカッション1
「日本病態栄養学会/日本臨床栄養学会/日本栄養治療学会
治療食の見直しに関する3学会合同委員会報告」
- 「治療食の新たな定義について」:悦伝会目白第二病院 副院長・外科部長/(一社)日本病態栄養学会の水野英彰先生は、特別食や治療食の定義が60年以上変化していないことに触れ、治療食の見直しが必要であると指摘した。そこで、日本栄養治療学会、日本病態栄養学会、日本臨床栄養学会による「治療食見直しに関する3学会合同委員会」で検討を重ね、本ディスカッションにおいて常食と特別食(特別治療食)の新な定義について説明した。
- 「治療食の新たな分類」 :川崎医科大学 総合老年医学 教授/(一社)日本臨床栄養学会)の杉本研先生は、新たな治療食として、栄養素・食形態から特別食をエネルギー産生栄養素調整食、食形態調整食、ミネラル調整食、その他の特別食に分類し、それぞれの食種に疾患を紐づけたと解説し、そのメリットを紹介した。
- 「特別治療食の新たな分類案における小児の治療食」:大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 栄養管理室 室長/(一社)日本臨床栄養学会の西本裕紀子先生は、小児入院患者の数は少ないものの、配慮が必要な食事対応が多く、成人に準じた特別治療食の確立が必要とした。その上で、小児における特別治療食を用いた食事対応例を具体的に示しながら、小児特有の病態を考慮する必要があることを指摘した。
- 「治療食見直しに関する三学会合同委員会で審議した内容の妥当性を検証する」:東邦大学医学部臨床支援室教授 東邦大学医療センター大森病院 栄養治療センター部長、栄養部部長/(一社)日本栄養治療学会の鷲澤尚宏先生は、新たな治療食の分類は関係団体や社会に発信し、意見を求める段階になったとして、提示すべき団体を示した。これらの意見を集約し、最終的には行政に対する3学会による合同提案を行う方針を説明した。
- 「ディスカッション」:ディスカッションでは、食物アレルギーの扱い、入院時食事療養(Ⅰ)または入院時生活療養(Ⅰ)と栄養食事指導における特別食の定義の相違、医師と管理栄養士のタスクシフト、医師に対する栄養教育のあり方などについて、幅広く議論された。
◆第29回日本病態栄養学会年次学術集会開催
特別講演「食がつなぐ地域包括エコシステムを考える」
- 社会医療法人財団董仙会・恵寿総合病院の神野正博先生は1980年に日本医科大学を卒業後、消化器外科医として研鑽を積まれ、1993年からは石川県七尾市にある同院の病院長を務め、現在は「けいじゅヘルスケアシステム」理事長を務めておられる。2024年1月1日に能登半島を襲った地震で、同院は被災地で唯一、発災直後から急性期医療機能を維持したことで全国的に知られた。2025年6月には全日本病院協会の会長に就任され、現在、病院経営のスペシャリストとして広く認知されている。本講演で語られた、神野先生が実践されているマネジメント手法は、高齢化や労働人口の減少、病院スタッフの負担増など、現在の診療環境を取り巻く状況に対し、非常に有益な示唆と提言を含むものとなった。
◆第47回日本臨床栄養学会総会・第46回日本臨床栄養協会総会
第23回大連合大会
ワークショップ1 「小児期の肥満とやせに対する現状と課題」
- 「発表1」 :小児栄養分野推進合同協議会の代表を務める大阪母子医療センターの位田忍先生は、総論として小児の肥満とやせの問題についての現状を整理し、周囲の大人が行うべき対応と、対策として有効な成長曲線の活用、および現在、整えられつつある社会の対応について概説した。
- 「発表2」 :静岡県立こども病院 栄養管理室の八木佳子先生は、小児専門病院における栄養指導から見たやせ患者の現状について、主に低栄養ややせの子どもたちとの関わりについて解説した。小児期のやせは、成長不良、摂食障害、基礎疾患など多様な背景を持っており、個々の症例に合わせた介入目標が求められる、として、同院で低栄養を対象に実施した栄養指導症例をもとに、小児におけるやせの特徴と栄養介入の効果について報告した。
- 「発表3」 :大阪母子医療センターの伊藤真緒先生は同院について、摂食障害の患者を受け入れ、内科病棟での入院管理を行い、医師、管理栄養士、心理士、看護師が連携し、家族を支えている体制について紹介し、同院の管理栄養士が関わった小児摂食障害患者の身体状況・摂取状況を調査し、その経過と取り組みについて報告した。
- 「発表4」 :福岡市立こども病院の伴 尚子先生は、小児の肥満は成人の肥満へ移行しやすく、様々な健康障害や社会心理的課題を引き起こすと解説。改善には生活習慣の見直しが基本となるが、継続することは容易ではない、とした。今回、教育入院を行った2例の肥満症例に対する管理栄養士の関わりについて報告した。
- 「座長によるまとめ」