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栄養ニューズ「PEN」2026年7月号      ★紙媒体最終号★     電子版はhttps://eiyonews.com/pen/ でどうぞ!

◆第15回日本リハビリテーション栄養学会学術集会開催
 ジョイント企画4 日本褥瘡学会
「リハ栄養のまなざしを褥瘡ケアにも活かそう」

  • <編集部>本セッションでは、患者に動いてエネルギーや栄養を消費させるout側の理学療法士と、「食べる」という摂取(in)を担う管理栄養士による「inとout」のバランスの重要性について、リハビリテーションと栄養のそれぞれの視点を、いかに褥瘡ケアへ活かしていけるかが焦点となった。
  • 「褥瘡ケアをしていて行き着いた栄養とリハ」:高岡駅南クリニックの塚田邦夫先生は1988年から1990年にかけて米国で局所療法を学び、帰国後は褥瘡ケアの実践とともに局所ケアのセミナーを開催してきた。栄養不足が原因で褥瘡が治癒しない現実に直面し、栄養管理の重要性を認識して取り組みを開始したという。1997年開業の現在のクリニックにおいて、踵の褥瘡が寛解と増悪を繰り返す患者を診療して、車椅子と踵の「ずれ」が要因だと気づき、シーティングやポジショニングに着目するようになった、として、臨床での研鑽の中で実感した対応の奥深さと、失敗から学んだという症例を紹介した。
  • 「ADL向上を目指した褥瘡の栄養管理」:関西電力病院 疾患栄養治療部部長 真壁 昇先生は、リハビリテーションによるタンパク質の同化・筋合成促進の効果について述べ、身体を動かす重要性を示した。また失禁関連皮膚炎(IAD)が褥瘡に発展しやすい、として多職種協働による消化管を使った栄養療法、特にシンバイオティクスによる腸内細菌の活性化への注目を促した。またタンパク質、ビタミンDの摂取の指導によるADL改善研究結果を示し、栄養食事管理の有効性を強調した。
  • 「褥瘡ケアに活かすリハ栄養的視点」:神野俊介先生は、現在、石川県内13カ所に訪問看護ステーションを持つ事業団に所属し、医療・介護資源が少ない地域での在宅生活を支援している。理学療法士というリハビリテーション職がリハ栄養的視点からエネルギーや栄養の状態を観察することで、患者の姿勢から分かる「inとout」の状態に気づき褥瘡予防につながる、として、エネルギーのoutがinを上回る状態が気づかれずに放置されかねない患者について、現場感覚に基づく示唆に富んだ知見を紹介した。
  • 「多職種協働による褥瘡ケアの実践」: 医療法人徳洲会 東京西徳洲会病院の古川純子先生は、かつては多くの問題を抱えていたが、現在は標準的なレベルまで改善した同院における「多職種協働による褥瘡ケア」の取り組みを紹介した。褥瘡ケアにおいて、創の処置や被覆材の選択は重要だが、それだけでは解決しない場面が多い。ケアの質を高めるのは多職種によるそれぞれの視点を重ね合わせることである、と述べた。

◆第15回日本リハビリテーション栄養学会学術集会開催
 特別企画3
「なぜ進まぬ「三位一体」? 連携加算の“壁”今を突破する、リハ・栄養・口腔の実践知」

  • 要旨:三位一体加算が進まない主因は、理念への反対ではなく、実装条件の重さである。具体的には、①休日を含むリハビリ提供体制、②専従・専任スタッフの配置、③管理栄養士の早期対面評価、④電子カルテ上の多職種情報統合、⑤口腔評価から歯科介入へのルーチン化、⑥経営シミュレーションと現場合意形成、の6点が主要な壁である。
  • 「 リハビリテーション・栄養・口腔の三位一体の連携~管理栄養士の成功と失敗 加算算定施設から~」:やわたメディカルセンター栄養課の漆原真姫先生は、管理栄養士の立場からリハ・栄養・口腔の三位一体の連携における算定導入までのプロセスと運用の流れを報告した。
  • 「リハビリテーション・栄養・口腔の三位一体の連携~看護師の成功と失敗 加算算定施設から~」:済生会熊本病院 看護部の山川美樹先生は、リハ・栄養・口腔連携体制加算について、算定施設の看護師の立場から発表した。特に体制構築に関する内容に加え、「看護師による口腔評価」に焦点を当てた本発表の内容は第12回日本サルコペニア・フレイル学会で報告した内容を含み、また、日本看護協会の機関誌『看護』2025年4月号にも掲載されている、と紹介した。
  • 「リハビリテーション・栄養・口腔の三位一体の連携―理学療法士の成功と失敗 加算未算定施設から」:新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院 リハビリテーション技術科の今井遼太先生は、加算の未算定施設の立場から報告を行った。同院が、ようやく加算取得に向けた準備のスタートラインに立つまでの施策について共有したい、と述べた。

◆第29回日本病態栄養学会年次学術集会開催
 シンポジウム6
「災害時の栄養サポート」

  • 「災害時糖尿病医療支援チーム(DiaMAT)の活動と役割」:伊万里有田共立病院の安西慶三先生はDiaMATについて、災害時の糖尿病患者に対する支援のため、日本糖尿病協会(JADEC)、日本糖尿病学会により設立された経緯を説明した。そのおもな活動は災害のフェーズに応じて、インスリン製剤の供給や、インスリン製剤や内服薬に関するアドバイス、食事や運動、フットケア、口腔ケア、衛生面などへのアドバイス活動を行うとし、さらに、DiaMATで活動するメディカルスタッフ養成のため、eラーニング研修、インスリン依存患者のJADEC登録推進などの取り組みも進めていると述べた。
  • 「令和6 年能登半島地震での経験と課題」:金沢大学附属病院 栄養管理部の徳丸季聡先生は、令和6年能登半島地震における1.5次避難所での栄養支援について報告した。石川県栄養士会では石川県からの要請を受け、1.5次避難所内に設けられた一時待機ステーションでの食事提供を担当した。同ステーションでは介護を要する避難者が多数を占めており、調理施設も限られていたことから、食中毒防止にも配慮し、レトルトの嚥下調整食を中心とした食事提供が行われた。一方で、糖尿病や腎臓病に関する情報がほとんど得られない中での、慢性疾患患者への対応を課題として挙げた。
  • 「災害時の栄養サポート ~ JDA-DAT の活動と役割~」:三重大学医学部附属病院の小出知史先生は、東日本大震災をきっかけに、2012年に設立された日本栄養士会災害支援チーム(JDA-DAT)について、様々な災害における活動内容を解説した。具体的な活動例として、平成28年(2016年)の熊本地震での特殊栄養食品ステーションの設置、特殊栄養食品などの物資の在庫管理や配送調整、令和6年能登半島地震での約3か月間の活動で能登地区での避難所巡回、金沢市内の1.5次避難所での栄養支援などを報告した。今後の課題として、令和6年能登半島地震で新たに活動の場となった1.5次避難所での支援の準備が必要と指摘した。
  • ディスカッション要旨:ディスカッションでは、一時待機ステーションでの食事提供や栄養管理の運営に携わることになった場合の糖尿病や腎臓病など慢性疾患を持つ避難者への個別対応のあり方、一時待機ステーションの運営に資する管理栄養士の食事提供体制構築や栄養管理の関わり方をテーマに、それぞれ状況が提示され、会場でのアンケートを実施しながら議論された。

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