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栄養ニューズ「PEN」2025年7月号

第40回日本栄養治療学会学術集会(JSPEN2025) 開催
ワークショップ06◉多職種で考える心不全患者のmalnutritionと栄養治療
~急性期から在宅までの実践と課題~

  • 横浜市立大学医学部 循環器内科学の小西正紹先生は日本人の心不全は予後が悪い低BMI患者が多いことに触れ、心不全治療が栄養状態を改善し、体重増加につながった症例を紹介した。さらに心臓悪液質は予後を悪化させるため、AWGC基準を用いた早期の評価が必要であり、介入ではONS付加、鉄の補充が有用とした。また、厳格な塩分制限の根拠は乏しく、状況によっては塩分制限を緩和してもよいと解説した。
  • 広島大学大学院 医系科学研究科の堤 理恵先生は、心臓悪液質患者の代謝経路は解糖系が亢進しており、TCAサイクルに直接アプローチできる糖とアミノ酸の併用が有用とした。さらにシンバイオティクスによる腸内環境是正やジンゲロール含有栄養剤の付加も有用である可能性に触れた。
  • 福岡県済生会福岡総合病院 栄養部の掛川ちさと先生は心不全患者では長期間継続する食欲不振に対し、入院中のきめ細やかな食事対応や外来での栄養サポート実施などを紹介した。さらに高齢になるほどエネルギー充足率が低下し、身体活動量低下、咀嚼力低下、食事回数減少、生活環境などの様々な要素がエネルギー充足率低下に影響していると説明した。
  • 東北医科薬科大学病院 リハビリテーション部の千葉一幸先生は、心不全患者に対する運動療法と栄養療法において、急性期は早期離床を中心に介入し、回復期、維持期では長期的な低栄養リスク管理が必要と指摘した。その上で、低栄養と身体活動量低下が顕著な心不全患者に対し、低付加の運動療法と栄養状態改善から開始し、食事摂取量増加に伴い運動療法の負荷をあげることで最終的に復職が可能になった症例を提示した。
  • 総合討論では基礎エネルギー消費量測定方法や浮腫の影響が強い心不全患者での栄養評価方法、栄養指導の望ましい意思決定プロセス、急性期病院と地域のクリニックや在宅医療の連携などについてディスカッションされた。

◆第14回日本リハビリテーション栄養学会学術集会 開催
関西中部心不全栄養療法研究会/神奈川心不全栄養研究会合同セッション2
心臓リハビリチームの栄養に関する取り組み~私たちに出来ることはどんなことかを考える~

  • 高の原中央病院の福田章人先生は、心不全以外にも様々な問題を抱える高齢心不全患者には、多職種による介入が必要と指摘し、高の原中央病院の多職種チームによる心臓リハビリテーションについて症例を提示しながら紹介した。また、理学療法士は包括的な評価から患者個々に合わせた目標設定を行い、最適な運動療法を提供する必要があるとした。
  • 高の原中央病院の米田昌代先生は、外来心臓リハビリテーションで実施している栄養指導について、実際の症例における取り組みを交えて紹介した。患者の状態を評価しながら栄養指導を継続したところ食事摂取量が徐々に増加した結果に触れ、管理栄養士は患者のバックグラウンドを十分把握し、多職種チームの1人として患者の嗜好を考慮した食事面からの治療支援を行うことが求められるとした。

◆第29回日本フードファクター学会学術集会 開催
基調講演 「食品の精密栄養学」

  • 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の國澤 純先生は、腸内細菌叢は健康に様々な影響を与えるため注目されており、個人差が大きいが、腸内細菌叢の状態は多様性があることが望ましいと指摘した。さらに、腸内細菌は食物繊維を利用して短鎖脂肪酸を産生していることに触れ、このような健康に有用な代謝物を産生できる環境づくりが必要とした。その一例として、オメガ3脂肪酸によるアレルギー抑制効果を示し、オメガ3脂肪酸から有用な代謝物を産生できない場合は、オメガ3脂肪酸を発酵食品に使われている菌などと合わせて摂取することで健康効果を得られる可能性があるとした。また、個人の腸内細菌叢を迅速に測定するため、「腸内細菌検査キット」を開発し、大阪・関西万博で提供を予定していることを紹介した。
  • 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門の荒木理沙先生は大麦に含まれる(1,3/1,4)-β-グルカン摂取による上気道感染症改善効果の検討結果を紹介し、体調不良、鼻づまり、くしゃみなどの大麦摂取による体調スコア改善は、NK細胞活性改善が関連していると解説した。

◆学会情報

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