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- 栄養ニューズ「PEN」2025年8月号
◆第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会 開催
ワークショップ2◉多職種の力で高齢CKD患者の食べる力を向上させよう!
- 東邦大学看護学部の小坂志保先生は、オーラルフレイルにより要介護や死亡のリスクが増加するため、「食べる力」の維持にはオーラルフレイルの早期発見、早期介入が重要とした。さらに、CKD患者では唾液の減少や、CKD-MBDの影響によって起こる全身の骨粗鬆症の影響で歯を支える顎骨の頑健性が揺らぎ、口腔機能が低下しやすいことを示し、オーラルフレイルのスクリーニングと、多職種での介入が求められると説明した。
- 新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科、医療法人社団 悠友会 志木駅前クリニックの玉浦有紀先生は、CKD患者における栄養障害のメカニズムとして、食欲低下による食事摂取量低下やPEWをあげた。また、透析患者では保存期での栄養指導の影響で制限意識が高く、透析日の食事摂取量低下も大きいことを指摘し、エネルギー摂取量の充足を目指すなど多職種での「食べる力」の向上が必要とした。
- 国家公務員共済組合連合会 三宿病院 リハビリテーション科の齋藤隆之先生はCKD患者の高齢化が進み、フレイルやサルコペニアの問題が大きくなっているため、腎臓リハビリテーションでは運動療法と栄養療法の役割が期待されるとした。その上で、「食べる力」を向上させるアプローチとして、舌骨上筋群の訓練や食欲へ働きかける介入を紹介した。
- 岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野の國枝顕二郎先生は、透析患者は摂食嚥下障害が多く、どのようにすれば食べられるかという視点で行う嚥下機能評価が重要とした。また、CKD患者では、サルコペニアの摂食嚥下障害の問題が大きく、十分な栄養摂取と舌骨上筋群の訓練が求められるとした。食道期へのアプローチとして、腰上げ姿勢での空嚥下が有効であることを紹介した。
◆第40回日本栄養治療学会学術集会(JSPEN2025)開催
合同パネルディスカッション04(日本緩和医療学会共催)進行がん患者の食の苦悩にどう向き合うか
- 大阪国際がんセンター 支持・緩和医療科の天野晃滋先生は、進行がんではERDで苦しむ患者や家族が多いが、その程度を評価する指標がないことに触れ、ERDに特化した評価指標として『進行がん患者の食に関する苦悩の調査票』を開発したことを紹介した。
- 愛知医科大学 緩和ケアセンターの坂口達馬先生は、生活機能を維持、向上させる栄養治療や緩和ケアが必要と指摘し、そのためには『the seven Cs』と「どのように」という問いを活用した患者理解が求められるとした。さらに、予後予測3か月の段階で栄養評価を見直す必要があると説明した。
- 国立研究開発法人国立がん研究センター東病院 栄養管理室の桒名未来先生は、緩和医療に携わる医療従事者のバーンアウトが医療の質にも影響を与えることに触れ、管理栄養士におけるバーンアウトの実態について調査結果を報告した。管理栄養士では個人的達成感低下を多数で認めたと紹介し、その予防には終末期患者対応に関する研修が有用とした。
- 東京科学大学 医学部 保健衛生学科の腰本さおり先生は、進行がん患者ではERDを抱える患者が多く、栄養サポートをマルチモーダルケアで対応し、管理栄養士の自己達成感につなげる必要があるとした。併せて、これらにはがん悪液質の診療ガイドラインの知識やがん悪液質の症状の評価項目が関連することを指摘し、管理栄養士に対するがん悪液質の教育が必要とした。
- LIC訪問看護リハビリステーションの神田由佳先生は、食欲不振は終末期の家族の苦悩につながるとし、その対応が重要と指摘した。訪問看護でERDを緩和した症例を紹介しながら、フライの倫理的意思決定プロセスや共同意思決定支援(SDM)を活用して患者や家族に寄り添い、ともに考える介入が必要とした。
- ディスカッションでは、終末期やERDを抱える患者への対応方法やそのために必要なアセスメントについて議論され、食べられない状態の患者に対してはその時に食べられるものを食べるよう提案する、会話から患者の食べたいけれど食べられないという思いも把握して尊重する、食べられない時はエネルギー確保を最優先にする、抗がん剤治療中の患者では悪液質が多くアセスメントが重要になるなどの意見が出された。
◆大会長インタビュー
第12回日本時間栄養学会学術大会開催 大会長インタビュー
- 第12回日本時間栄養学会学術大会が2025年9月5日(金)と6日(土)の2日間にわたって、東京都北区の『東洋大学赤羽台キャンパス HELSPO HUB-3 (HELSPOホール)』で開催される。会長を務める髙田和子先生 (東洋大学健康スポーツ科学部栄養科学科 教授)に本大会の見どころを中心にお話を伺った。
◆学会情報