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栄養ニューズPEN

栄養ニューズ「PEN」12月号

第70回日本透析医学会学術集会・総会開催
ワークショップ13「透析患者のビタミン・微量元素」

  • 市立湖西病院 腎臓内科の加藤明彦先生は、健常者と透析患者におけるビタミンや微量元素の摂取量を解説し、透析患者でも健常者と同量が必要だが、透析患者特有の出納バランスを修飾する因子に注意が必要とした。
  • 産業医大病院腎センターの宮本 哲先生は、水溶性ビタミンは補酵素として重要で、透析で漏出することを指摘し、とくにビタミンB1の欠乏が臨床的に問題になるとした。
  • 昭和大学藤が丘病院腎臓内科の溝渕正英先生は透析患者の多くはビタミンD欠乏であるとし、透析患者への大量ビタミンD投与はPTH低下に対する効果が証明されているものの、それ以外の有用性は示されていないと説明した。
  • 医療法人社団腎愛会だてクリニック 栄養科の大里寿江先生は、透析患者への亜鉛補充の血管石灰化抑制効果に触れ、血清銅値、アルブミン値、栄養状態を考慮した亜鉛製剤投与が有用とした。
  • 徳島大学大学院医歯薬学研究部 腎臓内科学分野の脇野 修先生は、透析患者ではセレン欠乏症のリスクがあるものの、血清セレン値測定の保険適応がなく、セレン補充を行いにくい問題を指摘した。

◆第13回日本腎栄養代謝研究会学術集会・総会開催
シンポジウム「~CKDの栄養療法 その理想と現実~」

  • 東京医療保健大学医療保健学部 医療栄養学科の北島幸枝先生は、CKD患者では腎機能低下を抑制するため食事療法が提案されるが、エネルギー摂取量やたんぱく質摂取量を適正に保つ必要があると指摘した。そのためには多施設での情報交換でシームレスな食事療法の提案が求められるとした。
  • 医療法人 永仁会 永仁会病院 栄養管理科の加藤 基先生は、エネルギー摂取量不足が多く、 後期高齢者が増え、独居や中食の利用割合も増加しているという透析患者の現状を示した。その上で食事介入した症例を提示し、画一的な食事指導ではなく様々なアプローチを状況に応じて使い分けることが必要とした。
  • (医)偕行会海部共立クリニックの高橋恵理香先生は透析患者の高齢化に伴い、十分な栄養摂取が困難なケースが増加しており、市販惣菜・中食の活用が求められるようになったと指摘した。しかし、無計画な食品の摂取は合併症のリスクにもつながるため、安全に市販惣菜・中食を活用するためのパンフレットを作成するなど、指導を工夫しているとした。
  • 茅ヶ崎セントラルクリニックの川島希望先生は、多忙な管理栄養士業務のなかで患者に向き合う時間を生み出すためAIの活用が有効であるとし、食事内容の栄養計算、献立の調整、音疑似栄養指指導など活用事例を紹介した。

◆REPORT  第72回日本栄養改善学会学術総会開催
会長講演「健康寿命の延伸をめざして~実践栄養学のエビデンス構築と展開~」

  • はじめに、東京農業大学総合研究所 参与・客員教授の石見佳子先生は「健康日本21(第三次)」では健康寿命延伸を目指していること、近年の研究では、健康寿命の評価指標として生物学的年齢が提案されていることを解説した。その上で、エネルギー制限や食事パターン、生活習慣改善が生物学的年齢に関連するとし、食事や運動により加齢に関連する疾患リスクを低減できる可能があることに触れた。「健康日本21(第三次)」では、健康増進の取り組みとして4項目を挙げており、本大会もその4項目に合わせてプログラムを組み立てていると紹介した。

◆訃報 

標葉 隆三郎 先生

◆学会情報

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